つい10年程前までは国内の設備の制御は「全ての部品は永遠に正しく機能する。」ことを前提に作られてきました。
大手の自動車メーカー向けでは、この前提が大きく変わり、「設備、機器が故障した際、作業者、設備の安全性は保たれなければならない。」と考えられるようになりました。
これを具現化するために、安全、停止カテゴリーのリスクアセスメントの実施や電気回路の構成部分でいえば、制御回路のPNP化、機器の冗長化による単機能喪失時の停止リスクの低減などが要求されています。
実際の所、制御設計者でも正しく理解して設計に反映している方は少ないのが実状でしょう。
今から10年以上前に、私はある自動車産業の担当者様から「何も知らない小学生がこの設備を触って、怪我しないように制御するように。」と言われたことがあります。
無論、生産現場に小学生は入らないので、たとえ話なのですが、今になってこの言葉は経営する者にとってバイブル的な重みがあるな、と感じます。
昨今の人手不足な生産現場では忙しい管理監督者が未経験者や高齢者の安全をしっかり確保し、業務にあたるのは厳しくなってきています。
このような背景のもと、新しい設備が導入されたり、既存機の能力アップが図られ、装置に未知の災害リスクが有る場合もたくさんあります。
もちろん一旦把握したリスクや危険を、放置したまま作業することを良しとすることは誰も望まないでしょう。
でも把握しきれないリスクや、集中力低下時のミスが起きたときにはどう対処するのか。
思いもよらない装置の動作やヒューマンエラーで受傷したとき、「機械が誤動作して怪我をするのは管理者側も知らなかったから不可抗力だ。」と説明されるのでしょうか。
時折、立体車庫やエレベータ、ベルトコンベアや圧力タンクなどでも事故があります。
制御屋の観点からすれば、「設計者すら安全性よりも購入コストを優先せざるを得なかったのかな?」と考えてしまいます。
操作性を犠牲にして安全性ばかりを重視すれば「使いにくい、生産性の低い設備」になり、反対ならば「カンコツ任せで、個々の作業者レベルに依存する設備」となりやすくなります。
どちらも正解であり、間違いでもあります。両立させるポイントをみつけることが大切です。
この判断を今まで自社の設備しか扱ってこなかった担当者の方に一任するのは酷な課題です。
なぜなら、各メーカーが秘密にしている「未知の技術」を個人で調査しなさいと言っているようなものだからです。
日本の電気機器メーカーも昨今こぞって安全性にフォーカスを当てた機器を開発販売するようになって来ていますが、これらは依然として割高であり設備コストに直結するのが実状です。
でも10年前と比べれば圧倒的に調達コストは下がり、普通に使えるレベルまで廉価になってきました。
じゃぁ安全重視の設計に変更も簡単では?と考えられるかも知れませんが、今の制御業界の実状と言えば、「部品は安全性を考慮しているけれど、設計は・・・・」というのが一般的です。 設備の目的である「高い生産性と安全性」を担保する「部品と設計」、両輪なんです。どちらかがダメならそれまで。
世の97%の中小企業で制御のエキスパートを抱えれないのが実状でしょう。
我々は色々な大手製造メーカーの設備の制御を扱わせて頂いて来ました。小さな会社ですがこんなにも色々な経験を積んだ会社は中々無いと自負しています。
「安全に設備を動かす」観点から見て全方位に共通な技術です。
御社の設備の構成・制御について「長年この仕組みでやってきて問題無い。」でかたづけず、今一度「今日の作業環境に適応するレベルに有るのか?」、未経験者や高齢者や障害者の方でも安心して作業出来るレベルに達しているのか?と再点検してみて下さい。
大したコストを掛けずともやれることはきっとたくさん見つかります。
御社が大切にする製品や社員に少しでも安全性を付加できるよう、微力ながら我々もお手伝いさせて頂ければ幸いです。
自動車業界では各種設備や装置、制御にいたるまで要求されるレベルが高く、オペレーターの安全性や作業スペースの柔軟性、制御の柔軟性、トラブルが起きずメンテナンス性の高い装置など厳しい仕様に応えていかなければなりません。コネクト電機ではこれらに対応できるノウハウと技術力でクライアントの要求に応えてきました。 他業種でもこれらの技術やノウハウを活かし、安全で安心な設備の開発を適正な価格でご提供することが可能です。あらゆる業界の持つ問題点を弊社のノウハウと御社の持つノウハウでより良い解決策を一緒に模索しましょう。まずはご相談ください。